私は人材派遣やフリーターなどを経て、現在は科学研究に関わる会社で研究員として働いています。
研究員になった今、勉強しているのは理論物理だけではありません。サーバーやLinux、計算機の使い方など、仕事に必要なことを幅広く学んでいます。
大学と大学院でも放射線物理を学んでいましたが、実際に仕事を始めてみると、知らないことの多さに戸惑っています。
放射線を「測る」だけでは終わらない
私は大学・大学院で、放射線計測を中心に勉強してきました。そのため、放射線を測ることについては、ある程度の知識があるつもりでした。
しかし、実務では放射線を測って終わりではありません。
測定によって得られたデータをどのように処理し、そこから何を読み取るのかまで考える必要があります。そのためには、放射線計測だけでなく、統計処理についての知識も欠かせません。
私にとって統計とは、ただ並んでいる測定データに意味を与えるためのものです。
同じようなデータが得られたとしても、それが本当に意味のある結果なのか、偶然生じたばらつきなのかを判断しなければなりません。大学で学んだ知識だけでは足りず、実務を通して学び直す必要性を感じています。
素粒子や宇宙線について学ぶ
現在は、主に素粒子物理や宇宙線に関係する内容を勉強しています。
宇宙から地球には、宇宙線と呼ばれる高いエネルギーを持った粒子が飛んできます。私の仕事では、それらをどのように検出するのかが一つのテーマになっています。
粒子を検出するためには、素粒子そのものの性質だけでなく、検出器の仕組みや放射線と物質の相互作用など、幅広い物理の知識が必要です。
また、計算と実験の間には、どうしても違いが生まれます。
計算では、理想的な形状や条件を設定できます。しかし、実際の実験装置には製作上の誤差があり、検出器の性能や測定環境による影響も受けます。計算上の結果と実際の測定結果の違いを、どのように埋めていくのかも考えなければなりません。
理論だけでも、実験だけでも完結しないところが、この仕事の難しさであり、面白さなのだと思います。
大学で学んだ物理を勉強し直す
理論物理については、量子力学や統計力学などの基礎から勉強し直しています。
どちらも大学2〜3年生ごろに学ぶ内容ですが、改めて勉強してみると、とても難しいことが分かります。
公式を覚えるだけでは十分ではありません。言葉や数式がどのように定義されているのか、その式がどのような考え方から導かれているのかまで理解する必要があります。
大学時代に一度学んだはずの内容でも、今の自分が理解できているのは、まだ入り口の部分だけです。仕事で必要になったことで、基礎を理解することの大切さを改めて感じています。
Linuxと計算機の使い方にも慣れたい
物理と並行して、Linuxやサーバーの使い方も学んでいます。
ここでいうサーバーとは、大規模な計算を実行するための計算機です。Windowsのように、画面上のアイコンをマウスで操作するのではなく、文字でコマンドを入力して操作します。
私はまだファイルの移動やコピーなど、基本的な操作を覚えている段階です。今後は、ファイルやプログラムを誰が読み書きできるのかを決める「パーミッション」など、Linux特有の仕組みも理解していかなければなりません。
現在は、計算機に「ジョブ」と呼ばれる計算の指示を送り、計算が終わったら結果を確認するという作業をしています。
使用しているのはPBS系のジョブ管理システムです。基本となるqsubコマンドにさまざまなオプションを付け、必要な計算を実行します。
まずは実際にコマンドを入力し、計算を動かしながら、少しずつ操作に慣れていこうと考えています。
研究員になって分かったこと
研究員になる前は、大学や大学院で学んだ知識を生かして仕事をするのだと思っていました。
しかし、実際に働き始めると、大学で学んだ物理だけでは足りませんでした。統計処理、Linux、サーバー、計算機の使い方など、研究を進めるために必要な知識は想像以上に幅広いものでした。
一度にすべてを理解することはできません。今は、実際に手を動かしながら、分からないことを一つずつ勉強しています。
今後はこのブログでも、理論物理や放射線計測、Linux、サーバーを使った計算などについて、自分が学んだことを記録していきたいと思います。
まだ勉強を始めたばかりだからこそ、同じように物理やLinuxを学び始めた人にも分かりやすい形で書いていければと思っています。


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